1. |
頌寡:嬌声の標本 ~ Spécimen
03:03
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記録に頼らず、誰かの声を永遠に繋ぎ止めることができたとしたら、
それはどんなに素敵でしょうか。
譬え、心臓を射止めるようなことになったとしても。
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2. |
イヴの腓骨 ~ Scarborough Nuit
05:20
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対に交し 湛えあう視線は饒舌の水澄み
躰を支える柔腕よりも 慥かに踏みしめる肢で
未だ知らぬ父と子は 香澄薔薇のシンスプリント
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3. |
Doll's Secularizer
04:48
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古書肆の叡智のきざはしを 照らす月形の吊下燈と
踊っている 緩やかに 踊っている
寝台の下で 書架の隙間で 香水壜の中で
小鳥たちは知っている
命の華燭が燃え揺れる様な その日々を
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4. |
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海辺の狂女の唄(Song of the Madwoman On the Sea Shore)として知られている
仏蘭西のピアニスト、アルカンの一曲です。
一説では、彼は本を取り出そうとした書棚の下敷きになったとか、
傾倒した外套棚で死んだとされているのですが、死因は未だに解っていないそうです。
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5. |
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ただただ美しかった
そう云えるものだけを
仕舞える匣はありませんか
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6. |
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生まれ視た光は いずれ竦む歩みに屈む瞼の影か
生まれ視た闇は 無常に尊ぶ定量価値の群生か
ああ 純粋の底で消魂しく揺さ振られる神性よ
反射を 懈怠を 天命を 告解を
己がため触れ得る琴線をこそ 奏で給え
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7. |
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前作"貴腐寡少女錄"から、気付けばこんなに時間がかかってしまいました。
2ndが完成したのは2012年なので、五年の月日。
丸くあるべき関節のぎこちなさや、懸絶さを感じていたからこそ、
一言、待たせてごめんねと声をかけ、白皙に似合う召し物を
やっと袖へ通してあげることが……できたのでしょうか。
カナリヤを待っていてくれた、あなたへも。
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8. |
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寝台に降誕せし藍色の斜陽 ひとつの秘法
海砂の如く床舞う埃と白露 ひとつの歴史
病みてし尚馨る花瓶の薔薇 ひとつの摂理
いつか夣に記した 揺蕩いの私は空を跳ね
睡りの繭の泡沫と 翅の日へと戀している
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9. |
月蝕想薇 ~ éclipse de rose
10:08
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香油の如き都市を這う 思路は陰徳
欺称狂いの仮面達は 手垢哲学を華胥に
白鳴鐘の報せ 想い渡る小夜啼鳥の詞
噎せ返る刻の褥と 耽溺するには鹹き
鎮まり知らぬ美徳と生きよ
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10. |
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彼女たちは何処から来たのか
彼女たちは何処へ向かうのか
現想から幻実へ
アストラルからエーテルへ
回る針 終わらぬエクリチュールを
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-寡鳴夜-/Canary.A Japan
NYMPHET & VANITAS DOLL'S CRÉATIVE PRÉSENCE.
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