1. |
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在りし日を視やる 柔き月毛の隣り
軛の柩は語らふ柾目の聲
今生へ去来す屍期は折々 今際の時の洗礼よ
いつか櫛目に罹った帳でなく
清けし伊太利亞の風よ
如何か君を霑しつづけ給へ
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2. |
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優しい紫丁香花より 立ち罩む希書の薫りをと
化學毛の絨毯より 血の朱の緋毛氈をと
捲る頁の中の 貴女だけが教えてくれたことがある
白晶を削る危うき那夫塔林の樣な
裝丁の外 讀まぬべき愚衆の無言葉を
あゝこうして私は 貴女の背骨の音を識るのね
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3. |
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畔のいろの四葩 梟と啼く沓音
撓む腐土や片影のコントラスト
洋墨は今宵 詩を抱きとる者の洋盃に満ち
月光浴は金の橋を報せるでしょう
朽ちかけた真昼の夜さりと透く
星なき病葉の天文学
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4. |
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彷徨より来りて聴いた 異郷の手風琴
もう聞こえることはない
白昼に漂う繭月を仰ぎて空ろう
撫子の香り かんむりの花
戴くは春風の ゆるしか聖約か
それでも花は笑むが佳しと習ったから
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5. |
イヴの腓骨 ~ Scarborough Midi
05:28
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潮彩は雄弁に潅ぐ銀砂子の紅茶椀
言の葉は開く 夢幻と最期の一滴
肋骨は海百合の様に 腓骨は病める薔薇の様に
潮彩は静謐に編む寒冷紗の寝台
さ丹つらう君 白皙の眸に真実は在りや
撚糸綿帯の魂に 幻想と慥かな蜜想譚
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-寡鳴夜-/Canary.A Japan
NYMPHET & VANITAS DOLL'S CRÉATIVE PRÉSENCE.
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